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復活の日
satouno
 日本沈没とならぶ小松左京を代表する作品の映画化。

 アメリカ軍で極秘に開発されたウィルス“MM−88”が共産側に盗まれた。スパイによって奪還されたものの、途中吹雪のアルプスで行方不明に・・・・。
 翌年の春。イタリア風邪と呼ばれる謎の肺炎が全世界で人・動物を問わず大流行。有効なワクチンも開発出来ないまま地球上の生命は滅亡の道へ。米大統領は極寒故に感染を免れた南極の人々に最後の希望を託してメッセージを送る・・・・。


 映画は終始淡々と人々が死にゆく様子、生き残った人々を描いている。死体の山を火炎放射器で焼却する自衛隊。手だてのない病院では医師も看護婦も次々倒れてしまう。自殺者する者、無人の廃墟と化す世界の街。主人公・吉住(草刈正雄)の別れた恋人(多岐川由美)は、絶望してボートで彼のいる南をめざして消えてゆく・・・・誰も逃れられない地獄絵が全世界を覆い尽くす。
 南極に生き残った人々にも様々な試練がやってくる。感染を防ぐため外部からの接触を冷徹に拒む決断。あまりにバランスの取れない男女比率。そして新たな危機がやってくる、暗い結末を予感させる状況。それではタイルトの“復活の日”とはかない夢でしかないのか・・・・

 HIV・新型肺炎・鳥インフルエンザ・・・現実の世界においても映画の様なことが何時ならぬとも限らぬ危うさを秘めているこの頃。単なる絵空事とは思えないる怖さを伝えています。

 日本映画としては当時はチャンバラ・やくざ映画も地に落ち、洋画・TVに押されたどん底時代。それで20億円以上かけた破格の制作費と長期間の海外ロケ。世界的俳優をそろえた豪華さ。“当時の角川春樹の太っ腹”故にできた事でしょう。長身の草刈正雄が小男に見える映画というのも珍しい・・・・・(^^;)

 南極のシーンでは当時として史上初に近い南極ロケを敢行。特に潜水艦シーンはチリ海軍から現役潜水艦を借り、南氷洋で撮影されたものです。
 当時は南極に近いチリ海軍といえども、氷山が浮かぶ危険な海での操艦は初の事で、潜水艦の艦長は軍から勲章を受けたとの話が伝わっています。

 何故か評論家ウケは悪いのですが、様々な面で画期的な近未来映画であり、深作欽二の代表作の一つといえるでしょう。


映画データ

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