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Vol.8 2000.8.9

 ツーリングに限らず旅にでると、いろんなものと出会います。その中でも昔話や民謡・子守唄は、最初に接する事が多いものでしょうね。
 これらは単なる過去のものではなく、その土地での遠い昔の出来事などを、心情を織りまぜて受け継がれてきた“タイムカプセル”みたいなものじゃないかと思うんです。

 その中でも子守唄は、パッと聴いた感じは素朴で単純なものが多いんですが、中には貧しい境遇への恨みやあきらめの気持ちなどが織り込まれた、奥深いものがあるみたいです。
 五木の子守唄などはその代表的なものでしょう。独特の哀愁と怨念が隠っていたりします。
 もっとも、おみやげ屋でスピーカーからガンガン繰り返し流され続けると、哀愁なんて気は失せてしまいます。 おまけに録音テープも使いすぎで、よれよれの音だったりするとなおさら・・・(^^;)
 ↑中国地方の子守唄の
メロディーが聞けます
 左上の詩は『中国地方の子守唄』の一部です。これは母親の子にたいする純朴な思いを唄ったもので、元々は岡山県・広島県境に接する井原市高屋町あたりに古くから伝わる子守唄。今では日本を代表する子守唄の一つになっています。
 なぜ地方の子守唄がそうなったのか?それは次のような出来事がきっかけだったとか。

 昭和三年の春、井原市高屋町(当時は後月郡高屋村)出身の声楽家が、恩師である山田耕作に故郷に伝わる子守唄を独奏で唄ったそうです。
 唄を聴いた山田耕作は感動してすぐ編曲にかかり、数日後には“中国地方の子守唄”として完成して発表されました。
井原市高屋町/古い民家・商家が旧街道沿いにあります
 そんなことがきっかけとなって、この子守唄は全国的に知られるようになり、声楽家の故郷で原曲が伝わる高屋町一帯が発祥地と呼ばれるようになったそうです。

 井原市の高屋町をはじめ、東隣の矢掛町・西の広島県神辺町などは旧山陽道の沿いの街として昔の面影を残す民家・商家が所々に残っています。今は幹線道路からはずれたり、交通の流れに乗ってしまえば思わず通り過ぎてしまいそうなところですが、ちょいとバイクをおりて散策してみると、子守唄を生み出した“何か”を感じられるかも知れません。

彫刻と子守唄の里・井原市のホームページはこちら
「でんちゅうくんの探検」なんてのがあるよ。



ツーリングメモ 〆(・・)アクセス&交通事情&ガイド
 井原市へは福山から入るのががわかりやすいルート。福山市からR2を経てR313を北上。山陽自動車道からは福山東IC(R182を経てR313へ)か、笠岡IC(県道34号を北へ)が最寄りになる。
 山陽地方の幹線道路は瀬戸内よりに移っているものの、井原を含めこの近辺は福山・倉敷・岡山など都市部を控え、朝晩はR313を中心に車の通行は多い。
 しかし穏やかな吉備の風景も各所に残っていて飽きることはない。R313を北上すると、丘陵地帯が広がり、夜空の美しいことで有名な美星町、備中松山城の城下町・高梁、その奥には湯原温泉、遠くは大山などへも通じている。
 また、南下して海辺に出ると坂本龍馬ゆかりの歴史ある港・鞆の浦など、風光明媚な景色も多い。福山港からは香川県・多度津と結ぶフェリーもあって四国へも便利。
 最近では井原鉄道が平成11年1月11日午前11時11分の1づくしに開通(鉄道では二十世紀最後の開通)。旧山陽道沿いと福山・岡山という都市部と鉄道でむすばれた。
写真:井原鉄道・井原駅